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橋本治｢いま私たちが考えるべきこと｣より。

｢自分のこと｣を考えたい人は、｢自分のこと｣だけを考えたい。そのことに意味があると思っているから、そのことを疑わない。だから、｢この“自分のこと”を考えたいと思っている私に役立つことだけを言え、私に関係ない他人のことなんかだらだら書くな｣と怒るのである。

この後に続く｢そうやって視野を狭くしていたら、不幸になるだけだろうと、私は思うのである。｣には苦笑せざるをえなくなる。いや、自分が思いっきり視野を狭くしている最中なので。

考えてみれば分かるが、｢合意に届かない議論｣というのは、愚の最たるものである。にもかかわらず、そういう議論が日本に氾濫しているのは、｢言論とは合意を得るためのものである｣という基本原則が、どこかに行ってしまっているからである。
(中略)
｢すでに自分には所属があって、その所属が“自分たち”を成り立たせている以上、“自分たち”とはずれたものとは合意を得る必要がない｣と思っていれば、言論における｢同意を得る｣は不必要になる。だから、日本の言論は、｢内部の同意を得る｣だけに熱心で、｢外部との同意を得る｣に不熱心なのだ。

あともう一つ、今日読んでいて引っかかった場所があったんだが……端を折っとくくらいしておこうよ自分orz