ヘルマン・ヘッセ、「夏と秋とのあいだ」から。

私が日本人であったなら、祖先たちからこれらの色彩とその混合色それぞれについておびただしい数の正確な呼び名を受け継いだことであろう。そしてこれらすべての色調の名をあげることができただろう。

1930年9月4日付。


「座右の名文―ぼくの好きな十人の文章家」の中の本居宣長の項において、日本人は外の世界のことを知っていることばかりがありがたがられ、日本のことを知らなくても別に問題ないとされるというのがあって、思わずうなだれた。自分なぞ、まさしくそう。
近頃色々な検定の中に色彩検定なるものがあるけど、あれは一体いかなるものなのかを今度確認してみるべ。