画家カラヴァッジョは友人を殺してしまいローマを逃げ出すことになったが、その友人の名前がラヌッチョ・トマッソーニであると今日知った。「イギリス人の患者」の中で、泥棒カラバッジョの親指を切り落とさせるのはラヌッチオ・トンマゾーニ。

おまえの名前はデイビッド・カラバッジョだろう。そうだな?*1


アルベルト・マングエル「図書館」。

わが蔵書たちの不思議な結びつきが示すように、もし時間が無限に流れつづけ、過ぎ去った時代に掲げられたテーマと発見された事柄をくりかえし見せてくれるとすれば、どんな罪深い行為や裏切り行為、悪辣な所業も、やがて真の決着を見るはずである。(中略)ドン・ファンはエルビラ嬢の苦悩と向き合うことになる。ブルートゥスはカエサルの幽霊と再会し、拷問したものはされた者に許しを請う。そのようにして、時間の連環の一巡りが完成するのである。


カラヴァッジョの「ダビデゴリアテ」の話も出てくるし、図録には「カンダウレスとギュゲス」の絵が載っているし、自分のヨーロッパ文化理解は「イギリス人の患者」と強くリンクしているなあとおもった。

*1:実際は傍点が打たれている