食欲がちょっとなかったので朝食を軽く済ませて出発……とおもったら玄関に珍しい客が。

今日は運がいい日かもなーとおもいながら九条へ。


ということで、昨日思いっきりタイトル間違えた映画「ロード・トゥ・ルーベ」とトークショーの感想。ネタバレしすぎでグダグダ。
どんな感じかもまったく分からなかったので早めに出て、途中本町で改札を出てしまうなんていうミスをしながら*1シネ・ヌーヴォに開場一時間前に到着w さすがに人がいなかったのと、なぜかそこでお腹がすいたので急いで駅前のコンビニに。戻ってきたら並びはじめていたので慌てて列に入って開場待ち。途中近くの家からリコーダーの音が聞こえたり*2、工事現場のおっちゃんたちになんだこの行列はと見られたりしながら開場。普通に席取れたw 通路に椅子置いたり立ち見が出たりと、最終的には百人近く来場したらしい。
自転車で来ている人もちらほら。ゴールデンロードバイクに乗ってきた人も。
来場者にはJSportsのサイクルロードレースシールが配られてた。けっこういい感じだけど、シール貼ったりとかしないからなあ……。



映画。2007年のパリ〜ルーベを舞台にしたドキュメンタリー。といってもレース内容自体はあっさり映像を流すだけ。それまでに至る選手や関係スタッフ、関係者のコメントが並べられていく。
全体的な感想としては、なんというか、こいつらバカだろと。パヴェのアップを見て「これ自転車で走る道じゃねーよ……」と呆れるほどの悪路。トラクターががたがた走っているような道を必死に走っているのって、もう、バカかと。でも、そのバカみたいなレースをバカみたいに必死に走っているのを見ると、バカにできない、むしろかっこいいぞおまえらと。あと石畳は地元の人々のもので、自分たちの道を名だたる選手たちが一生懸命走っているのが誇らしいという話が、なんとも羨ましいと思った。
やはりボーネンがかなり目立つ内容になっていたけど、今のような状況ではなんともなあ……。そしてベルギー人、ボーネンを愛しすぎだ……。もちろんあんなすごい選手、愛さざるをえないけれど。その後のトークショーで三船さんがベルギー時代の話をしてくださったけど、聞いていたらボーネンは異様なまでのプレッシャーにさらされているんだなあと痛感した。
ボーネンが「晴れの日は運、雨の日は実力がものを言う」といっていたのが印象的。素人目には雨の日こそ運じゃないのかと思ってしまうが、雨の日は実力差で自然選手が削られて、密集しての落車なんて起きにくいからとか。やっぱり走って勝っている人は見方が違うなあと。あとちょっとだけ出てたデヴォルデルがやたらセクシーに見えたのは私だけだなきっと。
ツール・ド・フランス総合ディレクターのルブラン氏がアメリカ人選手の中ではヒンカピーがもっとも優勝に近いといっていた。ランスさんもコメントで「出なかったのは残念だ」と言っていたので、来年出たりしないかなあと思ったけど、ツールを狙う選手は回避する傾向にあるらしいので*3ランスさんはけっきょく最後まで走らないかもしれない。
ホステが映る度に切ない気持ちになった。それと前髪ぱっつんぱっつん気味のベンナーティさんにちょっと笑っちゃった。バッランかわいいよバッラン。リクイガスの髪もっさはペリッツォッティ?
そして「優勝した瞬間のことを毎日想像している」みたいなことを言っていたのはけっきょく誰だったんだ。気になる……。
2007年はオグレディが優勝。カンチェラーラのアシストだったけど、カンチェラーラから「今日は調子が悪い」と聞いてから自分にもチャンスが巡ってきたと感じたとか。そういえば優勝者の中で、すべてのツキを味方にして優勝できた、それ以降は二十位か三十位が関の山だったって言っていた人がいたけど、巡ってきたチャンスを「確実に」ものにするのがいかに困難なのかという話。
オグレディが優勝してチームバスまで引き上げていく映像のあと、落車してリタイア、そして引退したミカエルセンの話が入っていたのが心憎かった。
自分は映画を滅多に見ないのでいい悪いは判断できないけど、もう何度か見ても楽しめそうな映画だった。


トークショー
映画の中でヒンカピーを見ながら「うーん、誰かを思い出すんだけど……」と思っていたら谷口さんだったという。本当にナイスボイス。
三船さんのベルギー時代の話が壮絶だった。名鑑に住所・電話番号が載っていて、一二月に自転車マニアから手紙やら写真が送られてきて「フォトカードとかボトルとかくれ」ってねだられたり、すれ違った自転車乗りが引き返して追いかけてきて「あ、おれこっちに曲がるから」と振り切ろうとしたら「あ、おれもそっち」っていつまでもついてこられたりとか、空港のパスポートコントロールがもはやパスポートコントロールになっていなかったりと。*4 まあ笑い話で聞く分には楽しいけど、実際の選手の中には異様なプレッシャーに感じる人もいるんだろうなーと。あと三船さんはお家スキーと見た。*5
そして同じ頃ヨーロッパにいた栗村さんの話は外れがなさ過ぎるだろうと。栗村さんはあまり練習コースを開拓しなかったらしく*6、三船さんがよく走る石畳コースに来ると犬のように跳ね回っていたとか……想像できていやだw
やっぱりああいう難しいコースは走って知り尽くしているものが強い、とのことで、フランドルとか慣れていないイタリア人がライン取りを間違っているのを「そこはやばいぞー」と思いながら見ていて、実際滑ったら「ほれみろー!」と思う三船さん自重w ランスさんが八回目のツールを取ったら現役復帰するかもなんて言ったりするし。
谷口さんは昨日のジロ中継*7のカベンディッシュ勝利に興奮して二時間寝付けず、朝五時に東京を出たとか。お、お疲れ様です……でも新幹線でパリ〜ルーベの2008年のDVDを隣の席のおじさんの視線を遮りながら見ないで(苦笑)
そして帰りの地下鉄で、近くに谷口さんが座ったときはびっくりしすぎて足が震えた……思わずガン見なんて失礼をしてしまったorz 声はさすがにかけれなかった。三船さんは「大阪の地下鉄に乗っていたら声をかけてもらえるくらいに自転車がメジャーになってくれたら」って言ってたけど……。


帰りにそのテンションでボルヘス詩集買って帰っちゃったよ! 帰ってきたら、カミキリムシは五十センチくらい移動していた。


思い出したこと。

  • 谷口さんの相槌の打ち方はさすがプロであった。
  • ツール前夜祭に出て、挨拶して、その帰りの階段で足踏み外して鎖骨骨折、不出場なんて選手がいたんだとか。ということで、三船さんは日本人選手のツール出場については「スタートラインに立つまでわからない」とおっしゃってた。

*1:そのまま乗換えで問題なかった

*2:休み明けに発表とかなんだろーな

*3:まあ言われてみればコンタドールとかは絶対に出ないしな

*4:顔パスだったりマニア目線でチェックされたり

*5:朝ごはん家で食べてからレースに出られるからベルギーのレースを主体にこなしていたと話していた。いやまあ、賞金を確実に稼げそうなのがベルギーのレースだったとも言ってたけど

*6:家の周りの治安が悪かったらしい。週一人は死ぬようなスラム街ってどんなんだよ!

*7:けっきょく自分も見た……