アントニオ・タブッキが亡くなった。私は彼の『フェルナンド・ペソア最後の三日間』を読んで、フェルナンド・ペソアを知った。新しい扉を開いた。

フェルナンド・ペソア最後の三日間

フェルナンド・ペソア最後の三日間

学校の図書館でたまたま見つけた本だった。奇妙な表紙だとおもいながら読み始めた。読み終わった後、これは本当にあったことなんじゃないだろうかとおもった。異名たちのことを知った。この世界への接点たるペソアがいなくなった後は彼らはどこに行ってしまったのだろうか。それとも彼らは誰かの夢の中にいるのだろうか。タブッキが誰かの夢の中に立ち去ってしまったのと同じように。その夢の中で、タブッキはペソアと出会い、語り合う。リスボンの街のどこかで、熱いトリッパを食べながら……。