時間が取れたので昨日の安藤忠雄講演会について。行けそうになかったのが、豚インフルエンザで延期になったので行けることになった。怪我の功名、というよりは人間万事塞翁が馬か。
案の定会場を探すのに迷ったが、運よくたどり着く。建物の手前で著書販売&サイン会。おー、安藤忠雄だーとそのときは遠くから見ていた。
まあともかくおもしろかった。講演会会場となっている部屋には入れず、隣の部屋で話されている様子をスクリーンで見ながらお話をうかがうことになった。そうしたらスクリーンの後ろから「あとでこちらにも来ます」と顔を覗かせられた。思わず拍手。最初だみ声でちょっと聞きづらいかと思ったけど、熱の入った言葉に、何度も頷き、笑わせていただいた。
元気を頂いたなあとおもったのだが、同時に以前養老孟司のエッセイに書いてあったことを思い出した。自分のような年配の人間の言うことに、自分より若い人が「元気が出た」といっているこの状況はおかしいのではないかと。河合先生が、「老人が若い人に知恵を与え、若い人が老人に元気を与える、そのような交流が大事だ」とおっしゃっていたのも思い出した。
安藤さんも何度も「日本は絶望的だ」とおっしゃっていた。チャンスが与えられるべき人にチャンスがない。責任ある人は何事も起こらないよう責任回避を第一に動いている、と。
以下メモより一部。
目標や理想を持つ。自分の到達し得ないものに触れ、緊張感を得る。その緊張感の中で初めて想像力が働く。好奇心を保つ体力を維持すること。構想した物を作りあげる持久力。新しいことを考え続ける。
可能性のないときにも、可能性を信じて希望をかけること。*1
建築家は、建てた建物を一生気にかけて生きていく。その覚悟。覚悟があれば、生きることは大したことではないということ。生活は、自分の工夫で。個性は常識の上にある。自分の意見を言うことと、人の話すことを効く対話能力。
希望は自分の力で見つけ出すこと。自分の時代のことを次に伝える責任。
講演会終わった後で「建築手法」購入。サインをいただいた。


夏休みに長野の神長官守矢史料館と高過庵を見に行きたいなあとおもっていたのだが、淡路の夢舞台も考えておく。
メモ。ジェフ・クーンズ。グタイ美術協会。

*1:それがエステに通う大阪のおばちゃんの言葉というのがなんともなあ……と苦笑